2011年4月21日木曜日

昨日の今日で

ぼんそわー.Oginoです.

不真面目な話をしようと思っておりましたが,古巣の若手から昨日の日記内容のレスが来たので掲載します.

不真面目な話をしようと思っていたんですがね.


顔見知りなんで,茶々入れながらご紹介.


矢野 航(京都大学霊長類研究所) 「Development of Cranial Morphology in Two Subspecies of Japanese Macaque (Macaca fuscata)」屋久島に生息するヤクニホンザル(Macaca fuscata fuscata)と本土に生息するホンドニホンザル(Macaca fuscata yakui)の頭蓋形態差はいつうまれたのか?亜種間で頭蓋形態の成長軌跡を比較して、島嶼化により小さくなったヤクニホンザルでは成長が加速していることを示しました。【比較形態学、発生】
Wataru Yano, Naoko Egi, Tomo Takano and Naomichi Ogihara. Prenatal ontogeny of subspecific variation in the craniofacial morphology of the Japanese macaque (Macaca fuscata). Primates. 51(3): 263-271.


伊藤毅(京都大学霊長類研究所)「化石の内部の形に基づく系統推定」
頭骨の内部にある鼻腔と上顎洞の形をCTを用いて調べ、サルの化石の系統推定を行いました。後期更新世のベトナム北部から見つかった化石 が、現在もインドシナ北部に分布しているベニガオザルと近縁であることを示しました。【生物地理学、社会生態学、バイオメカニクス、分子 系統学】
Ito T, Nishimura TD, Senut B, Koppe T, Treil J, Takai M. Reappraisal of Macaca speciosa subfossilis from the Late Pleistocene of northern Vietnam based on the analysis of cranial anatomy. International Journal of Primatology 30: 643-662.


西岡佑一郎(京都大学霊長類研究所) 「前期中新世,島根県産の大型ビーバー化石」
島根半島の古浦層(約2000万年前の地層)から大型のビーバー化石が産出し,歯のX線CTスキャン画像を用いた観察によって,Youngofiber(ヤンゴファイバー属)と同定しました.日本のビーバー化石は瑞浪市,可児市,佐世保市から知られていましたが,今回の報告によって新しい産地を追加することができました.【現生哺乳類屋,地質屋,放射線屋】
Nishioka, Y., Hirayama, R., Kawano, S., Tomida, Y., Takai, M. (2011) X-ray computed tomography examination of a fossil beaver tooth from the lower Miocene Koura Formation of western Japan. Paleontological Research 15(1), 1-8.
 哺乳類化石の研究って,現生の生物地理とかと相性いいと思うんですよ.もっと活発に交流した方がいいなーと思ってる分野です.微化石や無脊椎というのも,たまに一緒に出てきたりするんで,そーいう分野の方を探すこともありますかね.


……あ,茶々入れていたらイロイロと書きすぎたので削除しまた.
矢野さんは私と入れ違いで人類系から来ていて,伊藤君とタピオカPは博士課程の院生です.

未来あるお三方ですし.ね.


霊長研って,古脊椎の教員3人いて,形態にも3人いて,化石研究やるにはニホンで一番充実してると思います.なかなか院生が来ないんで,ちょっと宣伝したいところです.まー,古生代や中生代をやりたいってのはムリだと思いますけどね.色んなチームが動いてるんで,協力者として論文増やすのにも向いてる研究所だと思います.


というわけで,大学院進学を考えてる学生さんは,霊長研のオープンキャンパスに行ってタピオカPの痛車に乗せてもらおう!


オチがいまひとつ.

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