2012年7月26日木曜日

ふむ.「産学連携」とか「産学官連携」というのにまい進していたつもりなのですが,最近「産官学連携」というのもあるということを聞き,なんか徐々に「学」が追いやられている感じがしています.

「産官連携」が一発変換できるようになる日が来ないことを密かに願っています.
公共事業はだいたい産官連携なんでしょうけど.


そういうわけで,自然科学分野での「産学官連携」をがんばっていく所存です.



最近つくってみたもの












@studiocorvoさんが描いたアパトサウルスをポストイットにしてみました.
あらかじめ切り抜いてあるので,手軽にアパトサウルス骨格を組み立てることができます.
ホネの名前も日本語とラテン語で描いてあるので,骨格名称を覚えるのにも役立ちそうです.
研究室配属になった当初に,机の前にまず骨格図を貼る,あの感じです.


16日のきしわだ自然資料館のワークショップ,大人の部に参加した方々にちょっと試作品に触れていただきました.















その筋の方々ですと,30分くらいあればいけそうです.ポストイットなので,貼りなおしも簡単で,完成すると全長がだいたい60cmくらいになります.尻尾だけで画用紙一枚分使います.

首まわりを中心に,形について話をしながら手を動かすようなワークショップには使えるかなーという気がします.とはいえ,ガイドなしで骨格組み立てとなると取っ掛かりも難しく,ちょっと年齢層は上がりそうです.

あとは,製作コストをどう下げるか,という一番の問題もあるのですが.
切抜きがものすごく時間かかります.

現状では脊椎を一つ一つ分割しているので,もうちょい単純化してもいいかなという感じです.


2012年7月9日月曜日

さて.

出張がひと段落.


6月末から7月頭,日本古生物学会に参加していました.













夜間小集会で科学普及のための提案をしたのですが,もっとも生み出すのに苦心した「たこ焼き器営業論」を提唱後誰も相手にしてくれないことが唯一の心残りです.

内容をざっとおさらいしますと,まず普及目標を明確化して,それぞれ違う戦略を立てましょう,というところからスタートしました.

世の中には「科学好きな方」と「科学嫌い・無関心な方」がいらっしゃいます.

「科学面白いんだぜ」という錦の御旗の下に行われている普及活動は,前者にたいへん興味を持っていただけるのですが,一方で,後者にはまったく届きません.


私は,科学好きな方々はすでに十分な情報網を持っていて,成熟したフェイズにあると考えています.そういった方々により豊かに楽しんでいただくという目的では,従来の手法で良いと思っています.
研究者はそれぞれが「世界一面白い」と確信して自分の研究をされているはずですから,こちらに関してはとても相性がいいですよね.


しかし,たとえば普及を「拡大」と捉えるのであれば,科学を敬遠している方々にこそ拡大の余地があると思うのです.ここでは,従来どおりの「科学面白いんだぜ」的発想は,たとえば学生時代に「面白い」と思わなかった人々の心には,まったく響かないのではないでしょうか.
酒飲みで甘いものが苦手な私が,パフェを熱心に勧められても特別な理由のない限り注文しないのと一緒です.

そういうわけで,「科学面白いぜ」戦略だけではなく,別の手法をもって科学普及をしてみたらいかがか,ということをいくつかの事例を挙げながらお話してみました.


地域ごと,立地ごとの戦略の組み立て方とその結果みたいな話もしましたっけ.
各地の博物館の方から意見をいただけたので,勉強になりました.


次回か次々回くらいには,琵琶湖博でやったプレパレーター・アーティスト発表みたいなのをちょっとまとめてやってみたいですねえ.


水曜から金曜までは東京ビッグサイトに行ってました.











クリエイターEXPOというイベントに参加するためです.国際ブックフェアなんかと一緒に開かれていました.
イメージとしては,古生物学会の夜間小集会でお話した「科学嫌い・無関心な方」に関心を持ってもらうための戦略の一環でもありまして,こちらは心情とかそういうのよりもマーケット拡大というシノギのための活動です.
異業種と科学とを絡める手段はいくらでもあると思いますので,お互いのファンに「こういうのあるんだよ」と紹介しあうようなことができるのではと考えています.
さまざまな業界の方やクリエイターさんたちから,3日間で100枚近くのお名刺を頂き(たぶん親分も個々に頂いていたようなので,100は越えるでしょう)なにか新しい展開ができたらと思っています.




7日土曜日は,丹波に行っておりました.
化石工房では石割体験が行われており,この日は20名ほどの参加者が10数個の骨化石を見つけたとのことでした.
私もこういう体験を子どものころにしていたら,もっと白亜紀に興味を持っていたかもしれません.


ニュースにもなっておりましたが「篠山層群復元画丹波プロジェクト」の第一回会議が行われました.自然科学分野における産学官連携プロジェクトです.
丹波地域の恐竜をはじめとした化石について,丹波市と研究機関,そして弊社が中心となって「よみがえらせる」ことが目的です.

学術方面からは,北から金沢大・早稲田大・成安造形大・林原自然科学博物館・兵庫県立人と自然の博物館(兵庫県立大)・愛媛大の6つの大学や博物館の方々が参加しています.


今後は,定期的に情報がリリースされていくと思いますので,ぜひいろいろと驚いてください.