2012年3月15日木曜日

ぼんそわー.

考えなきゃいけないデータが多いな.
色んな方々が,引き出しを開けた瞬間を目の当たりにする機会がやけに多かったのです.

面白い体験が多かったというか.




2月末からのきしわだの恐竜強化期間,つつがなくお開きを迎えることができました.
















今週末に林原の渡部さんをお迎えして恐竜イベントをやっていました.
小学生時代に二日連続で恐竜学者にべったりで話を聞いたり意見を聞いてもらったり,
という機会はそうそうあるものではないです.

日曜の午後に行った講演は,ステゴサウルス周りのお話がテーマでした.まずは博物館学をされていて,友の会評議員でもある図師宣忠さんから,千地万造先生の足跡をたどりつつの自然史博物館学の歴史をうかがいました.
70年代くらいからの写真は整理してアーカイブ化すると「博物館学的に」有用だろうな,と感じました.
また,大阪市立自然史博物館の開館にあわせてステゴサウルスを持ってくるための交渉がいかに先駆的な行動だったか,というお話が印象深いものでした.















恐竜模型をベースに生体復元を行うワークショップ,実は渡部さんも参加してました.
生体じゃなくて「食べられる側の」ティラノをつくり,心臓の心房・心室の数,腸の長さや,別の小さな肉食恐竜に食べられることによってできた噛み跡など,本来の趣旨をぶっ飛ばして「リアルに」つくった結果が上記の写真です.物怖じしないのな.


あ,もう一枚ありました.













和気藹々とお開きまで進みました.このあたりまでは通常の講演会でした.














その後,参加者の質問に答えつつもオマケみたいなお話で,恐竜の胴体を輪切りにした図に顔を描いたりしてお遊び半分だったはずなのですが,ふとした流れから「恐竜研究で現在わかっていないこと」の話題になりました.
このあたりはマジで進行中ということでぼかします.

で,それについて議論するために,まずは論文を書きかたから話が始まるわけです.
しかも表面的にさらっと伝えるのではなく,「標本借受の交渉」というところから「次にCTはどこで撮れるかを考えます」とか「標本を切断できるようであればどうしたいか,あるいはそれが不可能だったら」というガチのチャートがホワイトボードに書かれていきます.

小学生も参加してます.













だんだん参加者が席を立って前に出てきています.
スクリーンでは講演用ではなく,学会発表用のデータに代わっています.


ひととおりレクチャーと問題点が提示され「で,わからないので何かアイデアあれば」という渡部さんの振りに対して最初に自分の意見をぶつけたのが小学生だったことには驚きですが,それ以上にその意見がたいへん具体的で面白い(少なくとも実験可能でResult(結果)までスムーズに出せて,考察のイメージが沸くくらいの)ものでした.

その場で化石屋は渡部さんと私だけだったのですが「できるよね」「いけますね」とその場で明言できるレベルの意見です.
たいへん有益なアイデア,ということで「論文化した際には謝辞に加えたい」ということで渡部さんがその小学生の名前を聞く段になったときに一番驚いていたのは,一緒に参加していたお母さんだったかもしれません.













その後も何名かのアイデアで面白そうな話が出ており,研究の楽しさを伝える終着点の一つを見た思いがしました.
正直,大学院入学したてで受ける特論としてみても,このレベルでできるのは非常に稀ではと思います.学生がホワイトボードにかぶりつくような講義をできる先生ってどれくらいいるでしょう.



講演のオマケではあったのですが,この流れは,論文が公表されたあとにもう一度検証する必要があると思いました.

参加された方々におかれましては,内容についてはトップシークレットで,かつ,ぜひご記憶にとどめておいていただければと思います.
















二度見したゾウ化石.

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